オホーツク鮭釣り5回目・・・その2

 着いたのは何時だったろうか?
人間の記憶というのは曖昧で、時間と共に風化し消去され改竄される。

時系列や正確な時間、釣った数などはかなり曖昧なことをお許しいただきたい。

確か、午前1時を過ぎた頃だったはず。
私とM氏は駐車場の他の常連さんの動きを見るつもりでした。
1時30分過ぎ、宮崎のT氏は
「うん、とりあえず行ってみるよ、とりあえずだから待ってていいよ。先行くね!」
こんな感じだったと思う。
爽やかである。

場所は知床。
普通にヒグマが出る危険地域である。
最近出来た、未開通の橋のそばに「クマの糞がおちていた」とか「足跡あるから気を付けろ」って言われていた。
彼を止めるなんてことは出来ない。
年に一度の楽しみである。

既に疲労困憊の体を少しでも癒すためにM氏と二人車内で休憩をする。
3時頃になると皆動き出す。
地元の常連さんたちと情報交換をする。
「右岸がいい」
地元のM氏から情報をもらう。
もう少し休んで、4時過ぎ、明るくなるころを目途に行動を開始する。
釣り場に降り、着いた頃には薄っすら明るくなっていたが、いい場所(ほぼ流れ出しの右岸側)は空いていてすんなりいいポイントに入れた。

ここでいつものポイントを整理しておきます。

崖を降りて行くと、海岸は崖の上から見て「く」の字になっています。

「く」の始点をA、角の頂点部をB、終点をCとします。

点Bが河口、流れ出しで、幅10メートルほど。
勿論この付近が最も釣れます。

点Aと点Bを結ぶ線を右岸部。
いわゆる流心から右岸は約15メートルほどまでがよく釣れます。

点Bと点Cが左岸部。
こちらは河口の端から25メートルほどまでがよく釣れます。
左岸の方が川の水が石の隙間から流れ出ているためと思われます。
また、暗い状況だと、降りてきてすぐ近くの方が入りやすい。
河口付近が空いていないなら、わざわざ川を渡っていくのも面倒だし、右岸はいつもあまり釣れていないように見える。
それで普段は左岸に人が多く入っています。

右岸、左岸、まん真ん中。
合わせて50メートルほどがよく釣れるポイントといえます。

ただ、潮位、時間、波そして、お魚の気分。
それらが合わさっているので、全く違う場所に溜まっているなんてこともあります。

「今日は果たしてどっちだ?」

いつもの10フィートの振り出しロッドに、2500番のシマノのリール、PEライン、浮きフカセ仕掛け、付け餌はもちろん塩締めニンニク鰹と赤いか。

波は多少高いがアタリはある。
アタリはある。
バラシもある。

体の動きが鈍い。

(昨日ちゃんと昼寝をして、朝飯を食っておけばよかった)

映画「岳」を思い出した。
主人公は死んだ友人を背負って帰ってくるが、ちゃんとご飯(パスタだったか?)を食べていたから、体力が持った。

いつも持ってきているタモを釣れている人に差し出すのも億劫だ・・・。

流心の一番いいポイントはあまり釣れていない。
やはり右岸だ。

しかも、先に述べた「セオリー」通りの場所ではなく狙い目の右岸のさらに奥。
美しく書いた「く」の字の様に、右岸の点AとBは反ってワンドの様になっている。
約70メートルほどにわたって。
そこが非常に良かった。

入れ食いではないが波に鮭が見え、M氏のハリに食いつく瞬間もよく見えた。
海水は澄んではいない。
だが、濁ってもいない。
波も高いが高すぎない。
何より鮭のやる気がある。
特にM氏に向っていく鮭が多かった。
彼は「入れ食い」を堪能したようだ。

M氏は大当たり!
なんと朝だけで6本。



バラシも多く、さらにタモ入れをしなかったせいでのバラシもあった。
浜からの釣りで一番多くのバラシは最後の数メートルで起こることが多い気がする。
逆に波に乗せると簡単な場合もあるが・・・。

T氏は2本?
C氏も2,3本。

この日私はゼロ。
目の前まで来てバラシを数回。

この日、M氏のタモ入れをしなかったことで、
「あの時タモ入れしてくれたら・・・」
と後々何度も言われるようになってしまった。

勿論逆に僕の鮭もタモ入れしてくれたら・・・とも思うんですが・・・。

ところで、いつも考えるのですが、
魚を1匹釣った人と2匹釣った人。
差は1匹。
でも、魚を0匹の人と1匹の人。
数字では同じ1匹の差。

だが、何もないゼロ匹の人と、1匹でも釣った人にはとても大きな差がある。
「ある」と「ない」の差。

そして、何もない時の「徒労感」。

それに対しての1匹でも釣っているという現実は、後の釣りや行動にひどく影響する。
もし、釣りの後に帰宅するなら、興奮でアドレナリンドバドバ。
寝ないで釣りしてさらに7時間運転して帰るのも余裕。
なんてこともよくあります。



木曜朝はもともと疲れていたのに加え、釣れないことからくる疲労、タモ入れしなかった罪悪感・・・。
ヤル気が出ません。

釣った魚を海で内臓やエラを抜き、波打ち際に捨てます。
どこで見ているのか、カモメがすぐにやってきてそれらを食い尽くし、残りは波がさらって行きます。
海に捨てるのは良くないという方もいますが、波打ち際なら処理されます。
岩場や、草むらに投げるといつまでも血生臭さと残骸が残るのでクマの危険が増すのではないかと思います。

休憩と買い物をし、T氏の為に病院へ。

取り込み中、サケが暴れ、口に掛かっていたハリがT氏の親指の骨に突き刺さってしまった。
しかも、びくともしないからペンチで引っこ抜いたって・・・。
(流石Tさん!!)
その後、クロ〇コヤマトの宅〇便で鮭を送りに行きます。
温泉に行ったかどうだったか・・・。
キャンプ場に行き、ガスコンロでお湯を沸かし、レトルトカレーを食します。
「旨い」
疲れた体にスパイスが染みわたります。

私は日本人としては珍しい方かもしれませんが、カレーが苦手です。
辛いものは大好きです。
でも、カレーは・・・。
前日のパキスタン青年たちのカレーも辞退させて頂いたほどに苦手。

だが、今日のカレーは旨かった。

車中泊初日。
3人より、2人が車で寝て1人は野宿の方が快適なのではないか?
そして、(今まで生きてきて野宿をしたこと無いからしてみたい)晴れているので、キャンプ場にある四阿(あずまや)でも大丈夫だろということで寝てみた。

ちなみに、この晩は今回の釣行中一番冷え込んだ。
外気温4度。
寝袋に耳まで覆う冬用帽子、M氏の薄手の布団。
「寒いわ」
まぁ疲れていたので寝ましたが。
起きるとかなり喉が痛い。

27日の金曜日2時前だったろうか?
トイレを済ませ、釣り場に向う。

星が綺麗だ・・・。
(いつかキャメラにおさめてやる!)

降りて行くが勿論釣りにならない。













崖上からの海・波高し
比較対象が無くわかりにくいですが、
大きめの岩には人が乗れます


朝よりひどい波。
勿論釣りになりません。

日の出漁港にも足をのばします。









日の出漁港に沈む夕日


この日は皆0。
この日はC氏とは会えず、そのまま奥さんの実家へ戻られた。

車中泊2回目。
次の日が土曜日で駐車できなくなる恐れがあるので、第二駐車場で車中泊します。

食事はほぼ前日と同じ。
レトルト物とカップ麺、ウィンナーソーセージとノンアルビール。
食べ終わったら臭いが漏れないよう袋に入れクーラーの中へ。
熊が怖い・・・。

昨日の寒さが堪えたので、前回の写真の様に3人で車中泊します。
ベッドの下の狭いスペースですが何とか寝返りも打てます。
互い違いというか、顔を向かい合わせにしないので結構快適です。
狭くて皆疲れているのでイビキがうるさいですがよく眠れました。

28日の土曜日2時前。
T氏は先行。
私とM氏はノロノロ行く。
今日も天気がいい。

満天の星空。
けぶる天の川。
時折流れる流れ星。

「君にも見せたいよ」




そんな「君」なんて存在が居ないので、ふざけてみた。




そして、すごい数の人工衛星。
ああ、スペースデブリが心配だ・・・。
(補足・デブリとは・・・プラネテスを読むがいい!)









T氏の基地



流れ着いたパレットなどでT氏の作った基地。
前日の金曜日昼に作ったもの。

長くなってしまったので次回に続く!





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